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風の介様

「先生、骨が折れたのでしばらくレッスンお休みします」
私はダンススクールを開校してから20年が経ちました。この20年間は毎日のように沢山の子ども達と関わりダンスやパルクール、アクロバットなどを教えています。その中で近年増えていると感じるのが突然の大怪我です。脳と体が発達途中の子ども達にとって日常生活はどのタイミングで怪我をするか予想がつきません。ではどうしたらその未来の怪我を未然に防ぐ事が出来るでしょうか。朝起きてから就寝するまで側で見守る事は不可能ですし、そんな事をすれば先に精神がまいってしまいますよね。なので大人が守ってあげられるのには限界がありますから、後は本人の判断力と身体能力に任せるほかありません。

「パルクールって危ないでしょ?!」パルクールを観たことがあるかたは分かると思いますが、パルクールは町中で走りながら空中で回転したり、高所から飛んだり、細いレールの様な所にのってバランスをとったりなど自分がやると考えただけでも絶対ムリ!!と思うのではないでしょうか。しかしながら結論から申しますと限りなく安全です。いきなり町でやれば当然危険ですが、レッスンを受講して安全な環境で指導者のもとでスポンジの様なマットで転ぶのと、通学途中や外遊びでアスファルトで転ぶのとではどちらが危険といえるでしょうか。2016年厚生労働省が発表した日常生活事故による救急搬送人員数の事故種類別割合でも「ころぶ」が2歳〜14歳で30.4%〜35.7%でダントツで一位である事実は軽視できない現実です。

「うちの子は臆病でメンタルが弱いんです。」大丈夫です。今なら間に合います。大人のメンタルを変えるのは中々難しいと感じますが、心が柔軟で一喜一憂する子どもの頃なら正しい環境で正しい教育を受ければ自己効力感を育てる事が出来て、どんな事にも前向きに捉えられる様に成長できます。保護者のかたは何か習い事をさせる時に、何でも一流にさせたいと思うよりきっとその子の未来に役立つ様な体験を学ばせたいと願うのではないでしょうか。そして何より健康で怪我の少ない人生であって欲しい…そう思うのではないでしょうか。冒頭に話した骨折した生徒は階段で転んだ際にうまく手がつけなかった様です。もしパルクールをやっていたら無意識に手を出して回避出来たかもしれません。実際にパルクールを始めてから怪我が減り、転んでも自然に受け身が取れる様になったという生徒が沢山います。
パルクールは誰にでも出来る小さな目標からスタートする事が出来ますので、その小さな目標達成の積み重ねが自己効力感を育て、いつの間にか臆病な性格や挑戦できないメンタルの弱さを克服できる様になります。身体の操作性の向上は勿論のこと精神力まで楽しみながら成長出来るオールマイティなスポーツだと私は考えています。

 

 

風の一家ダンス道場当主子ども心理カウンセラー 風の介

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